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僕の出場したスーパースポーツのレース2ではふたりのライダーが亡くなりました。
そのうちのひとりがオーストリアのMartin Loichtさん。
いつもボロボロの服を着て、ツナギとヘルメットは真っ黒。 サイズが合っていないのか、ブーツはガムテープで留めてあり、スクリーンにはヘルメットのシールドをくっつけて、無理やりTTレース仕様にしてみせる。
ひとりでいる時は追い込まれたような顔をしているのに、声を掛けるとすぐにニッコリ笑ってくれ、なんだか誰もが気にかけたくなる存在でした。
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そんなマーティンさんは、僕とゼッケンが近く、同じニューカマーだったから、
「Are you OK?」
「Everything OK?」
と、会うたびに声を掛け合ってきた。
来年、電動バイククラスに参戦するためのステップとして今年のTTに出場したらしく、スムーズに、そして慎重に走っていたはずなのにクラッシュし、病院で亡くなりました。
レース中は何度か抜いたり抜かれたり。
でも徐々に離され、追うのが難しいなと思い始めた時、コーナーを抜けるとマーティンさんのバイクと体が横たわっていました。
人の死について語るのは難しい。
「しかたがない」とか「運命だった」と言うと、とてもドライに聞こえるけれど、ここにいるとそう思えてしまうのも事実。 もちろん、家族や身近な友人はまた別の感情でしょうが。
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パドックの片隅には主を失ったトランポが留められていて、中はいつもの服とともに生活感があふれていました。 それがひどく悲しかったのだけど、少なからず僕のTTレースに関わったマーティンさんというライダーを知ってほしく、掲載しました。
マーティンさん、安らかに。
◆2010 マン島TTリンク◆
ヘルパーちさとのマン島日記
